1 住まいに潜むアスベスト

アスベストが空気中に浮遊していたら人体に危険です。今問題なのは、過去封じ込めたアスベスト建材の老朽化などによるアスベストの危険性の顕在化にあります。平成10年から20年にかけてアスベストが見つかった場所の一部は封じ込めという処置が取られました。その封じ込めによって安全になったと思われた場所からのアスベスト建材の発見が散見されています。

アスベスト含有建材は、住宅や倉庫では外壁、屋根、軒裏等に成形板として、ビルや公共施設では梁・柱の耐火被覆、機械室等の天井・壁の吸音用等に吹付け材として使用されています。

    アスベスト含有建材は、以下に大きく分類されます。
  • 鉄骨の耐火被覆材
  • 機械室等の吸音・断熱材
  • 屋根裏側や内壁などの結露防止材としての吹付け材
  • 鉄骨の柱
  • 梁等の耐火被覆成形板
  • 天井等の吸音・断熱及び煙突の断熱としての断熱材
  • 天井・壁・床の下地
  • 化粧用内装材
  • 天井板
  • 外装材
  • 屋根材等の成形板


2 目には見えない危険物質

アスベストらしき吹付け材料が露出しておらず、見た目では確認されない場合でも、隠れたところに存在することが良くあります。例えば、天井裏や建物の外壁面などによく見られます。天井裏は天井によって隔離されていると考えられがちですが、空調の経路として天井裏を利用していることも多くあります。また様々な照明器具が天井に設置されていますが、照明器具の配線は天井裏を通しており、これらの配線の通線部は見た目では確認できませんが空気の流通があります。

また、湿式吹付けの耐火間仕切壁の表面をコテ押さえとし、その上に壁紙を直に張り、仕上げていることもあります。更に、コンクリート面などには吹付け材が施工されている上に、断熱性能向上のため、ウレタン吹付けを施工したり、吸音性向上のためにグラスウールを貼り付けるなどの施工がされ、下地が全く見えない状態になっていることも良く見受けられます。
このように見た目ではアスベストらしき吹付け材料が見受けられない場合でも、空気が流通する場所に施工されていることがあるため、安易に見えないからアスベストが無いという判断は不適切と考えられます。以下にその事例を示します。

  • 天井裏の機械室や配管にアスベストが吹き付けられている。
  • 煙突の中に断熱材としてアスベストが吹き付けられている。
  • エレベータシャフト内にアスベストが吹き付けられている。
  • 外壁の塗料にアスベストが含まれている。

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